2021.07.24
創業計画書の中で最も大事な売上計画の立て方を知っていますか?
創業融資
創業時、金融機関から借り入れをする場合に必ず必要となるのが「創業計画書」です。
創業計画書の中でも最も大事な「売上計画」の立て方をご存知でしょうか。
1.なぜ売上計画が大事なのか?
創業計画書の中で、なぜ売上計画が大事かというと、
・売上計画をどのように作成するかによって利益計画が変わる
・利益計画が変わると、融資額が変わる
ためです。
例えば、仮に創業者が楽観的な売上計画(上手くいけば達成できる計画)を作成した場合、保守的に作成した売上計画よりも利益計画は良い計画となっています。
その楽観的な売上計画をもとに融資を受けると、保守的な売上計画に基づく創業計画よりも融資額が少なくなります(≒赤字額が大きい計画の方が融資額は多くなる)。
そして、事業がスタートして楽観的な売上計画通りになればいいのですが、思った通りにならないことが多いです。
楽観的な売上計画を達成できずにいると、早晩、資金繰りがしんどくなります(上手くいかないことを想定していなかったので、うまくいかない分の資金が準備できていないため)
2.どのように売上計画を作成すればいい?
上記の通り、楽観的な売上計画に基づき融資を受けると、実際の事業がうまくいかなかった場合は資金繰りがすぐにしんどくなります。
だから、融資を受ける際の売上計画を保守的に作成することがポイントとなります(金融機関が納得できる範囲で)。
保守的とは、「この売上計画を下回るくらいなら、事業をやめた方がいい」というイメージです。
保守的な売上計画を作成して融資を受けた場合、仮に楽観的な売上計画を下振れした場合でも、保守的な売上計画を達成できていれば資金繰りがしんどくなることはないです。
3.売上計画の詳細な作成方法
では、保守的な売上計画をどのように作成すればいいかというと、
①日々の行動計画の目標になるくらいに売上計画を細かく作成
②上記①の上で、数値を保守的に計画するのがいいです。
例えば、居酒屋を開業する場合の売上計画の立て方は以下の通りです。
・月次売上計画=客数/月×客単価
・客数/月=客数/時間×営業時間/日×営業日数/月
・客数/時間=座席数×客席稼働率/時間×客席回転率/時間
上記算式を保守的に考えると、
・客単価は5,000円を目標として考えていても、保守的に4,000円にしよう
・客数の計画はざっくり1日〇人なので、月〇人とざっくり計算するのではなく、
・客席稼働率は70%と想定していても、保守的に50%にしよう
・客席回転率も1時間に1回と想定していても、保守的に2時間に1回にしよう
などと考えることで保守的な計画になります。
4.細かく売上計画を作成するメリット
上記で記載した細かい売上計画を作成するメリットをお伝えします。
細かく売上計画を作成することで、実際に事業をスタートして、計画よりも上手くいかなかった場合に、その要因を分析することが可能となります。
例えば、売上計画を月100万円という金額だけで計画を作成した場合、実際は70万円の結果であった場合、その差額▲30万円がなぜ発生したかを把握することが困難です。
一方、細かく売上計画を作成した場合には、上記例で売上▲30万円計画下振れした場合でも、
・客単価が計画を下振れしたために▲10万円
・来店数が少ないために、客席回転率が計画を下振れしたために▲20万円
というように、要因を把握できます。
そうすると、
・客単価を上げるためにはどうすればいいか
・来店数を多くして、客席回転率を上げるためにはどうすればいいか
という課題を考えることができます。
これにより、仮に事業をスタートしたときに計画通りでなくても、徐々に事業を改善することで計画通りになり、事業を軌道にのせることが可能となります。
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