【創業支援コラム】20240222 新たな経営者保証不要の融資制度 | 高槻・茨木創業サポートオフィス

【創業支援コラム】20240222 新たな経営者保証不要の融資制度

1月のとある日のこと。

 

毎晩、軽い筋トレをしながらNetflixを見ることが多いのですが、

 

Netflixからレコメンドされてきたのが、

 

「MONSTER」(作者:浦沢直樹、代表作:YAWARAなど)

 

なぜレコメンドしてきた?と思いながら、30年近く前の漫画(Netflixはアニメ)なので久しぶりに見てみるといろんな気づきがありましたので、30年前の漫画に書かれている状況と今とを比較してみます。

 

①電話

・MONSTER(30年前)・・・車で電話しているのですが、受話器に線が繋がっている

→さらに、今なら運転中の「ながらスマホ」は交通違反

・現在の廣岡・・・ スマホ。古いスマホは汚れてもいいように料理時のYouTube専用

→料理用スマホは粉、油、その他諸々にまみれているが、通話しないので気にならない

 

②タバコ

・MONSTER(30年前)・・・部屋の中やレストランで喫煙

→人間の燻製を作っている感じに思える

・現在の廣岡・・・7,8年前から禁煙

 

③車のシガーソケット(シガーライター)

・MONSTER(30年前)・・・タバコに火をつける

・現在の廣岡・・・スマホ充電用

→プロ野球選手がプロゲーマーになるような変化!

 

④調べもの

・MONSTER(30年前)・・・図書館みたいなところで本を積み上げて調査

・現在の廣岡・・・スマホやパソコンで調査

→移動がなくなることで時間は効率的になっているけれども、逆に運動しなくなり老化が促進されて効率性がおちている可能性大

 

そんなこんなで時代が大きく変化している中、経営者保証についても大きな変化が起きています。

 

経営者保証とは法人が借りた借入金を経営者が保証することで、 仮に、会社が破産すれば経営者個人が法人の借入金を負担することになり、その多くは法人と同時に個人も破産して財産がなくなることが多いです(個人財産<法人借入金の場合)。

 

では、経営者保証があることによってどんなデメリットがあるかと言うと、

 

①後継者候補が法人を継ぎたいと思わなくなる

・事業が上手くいかなければ自分も破産することになると考えると、事業を継ぐことが怖いと感じる人も多い。

 

②既存事業で一定程度の個人資産を作った人については、新しい事業を経営者保証がある借入金を借りてやろうと思わなくなる

・新しい事業がうまくいかなければ、今までの個人資産がなくなる可能性があるため。

 

弊害が多かった経営者保証ですが、

 

1.30年前・・・経営者保証必須

2.2023年4月から

・経営者保証改革プログラムがスタートし、各金融機関によって濃淡はありますが、平均すると新規融資の半分くらいは経営者保証なしとなっています(金融庁が定期的に公表)

https://www.fsa.go.jp/policy/hoshou_jirei/jisseki_kobetsu.html

 

3.2024年3月15日から

・保証協会付融資で、通常の保証料に少しだけ上乗せすれば経営者保証が不要になるという素晴らしい制度が始まります。

https://www.meti.go.jp/press/2023/01/20240123002/20240123002-1.pdf

 

ただし、希望者全員がこの制度を使えるという訳ではなく条件があります。

 

① 過去2年間において貸借対照表、損益計算書等その他財産、損益又は資金繰りの状況を示す書類を当該金融機関の求めに応じて提出していること

 

② 直近の決算書において代表者への貸付金等がなく、かつ、代表者への役員報酬、賞与、配当等が社会通念上相当と認められる額を超えていないこと

 

③ 直近の決算において債務超過ではない(純資産の額がゼロ以上である)こと又は直近2期の決算において 減価償却前経常利益が連続して赤字ではないこと

 

④ 上記①及び②については継続的に充足することを誓約する書面を提出していること。

 

⑤ 中小企業者が保証人の保証を提供しないことを希望していること

 

上記条件の中で論点となるのは、②です。

 

②については、現時点で法人から代表者に多額の貸付金等がある場合には、短期間で代表者から法人に返済が困難であるために条件を満たさないことになります。

 

では、経営者保証がない借入を希望する場合、あなたはどうすればいいかということをお伝えします。

 

1.創業後5年超の法人で上記条件に合う場合

・既存の取引金融機関に経営者保証がない融資を受けたいとお願いしてみてください。

 

2.創業後5年未満の法人

・上記制度よりも条件が緩く、経営者保証がない「スタートアップ創出促進保証制度」を使って借入をするのがいいと考えますので、既存の取引金融機関に相談してみてください。

https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2023/230220startup.html

 

3.個人事業主の場合

・個人事業主は経営者保証という考え方がない(全て個人事業主が借入金返済義務を負う)です。

・個人事業主で新たに金融機関から借入をして事業を拡大したい等の考えがあり、経営者保証なしを希望するのであれば法人化することをオススメします。

・経営者保証以外で法人化するメリットは、仮に法人の事業が悪化して税金等を滞納したとしても、破産すれば代表者個人は法人が滞納した税金を負担する義務がないです。

・一方、個人が税金を滞納して破産しても税金の支払は免除されないです。

・法人化するデメリットは、利益が少ない場合は法人の方が税金が高くなることがあることです。

 

4.上記条件に合わない法人

・一度、既存の取引金融機関に経営者保証がない借入ができないか相談して、何がクリアできれば条件を満たすかを確認して頂くのがいいと考えます。

 

 

 

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