【創業支援コラム】20211125 7周年 | 高槻・茨木創業サポートオフィス

【創業支援コラム】20211125 7周年

2021年もあっという間の11月です。

 

当事務所は2014年11月に開業してから丸7年が経ちました。

 

7年間ナントカカントカ、事業を続けてこられたのは、ひとえにお客様、当事務所メンバー、当事務所に関係して頂いている方々のおかげであり、感謝の気持ちで一杯です。

 

良い機会なので、この7年間で私が「やってしまった・・・」ということをあなたと共有し、あなたのお役に少しでも役立てればと思います。

 

1.資金繰り

 

2014年11月開業時に貯金が数十万円しかなかったので日本政策金融公庫から500万円を借りました。

 

「500万円あれば、余裕で事業運営できる」

 

と思い、売上がゼロ円であったこともあり、積極的に広告宣伝費にお金を投下していきました。

 

その結果、お客様は毎月少しずつ増えていったのですが、売上の増加額は月数万円。

 

一方、広告宣伝費や生活費の支出により、毎月の赤字が50~80万円の赤字。

 

よって、半年ほど経って預金残高が100万円になったときに、

 

「事業が黒字になるまで、お金が続くかな。。。」

 

という不安に襲われていました。

 

とある日、自宅でお風呂に入って髪の毛を洗っていると「違和感」を感じました。

 

妻に頭を見てもらうと、

 

「あんた、10円ハゲできてるで。なんか苦労しての?」

 

「人生初の開業なんで、苦労してない訳ないやん!」

 

と思いましたが、赤字のことを妻に伝えても何の解決もしないので心にしまっておきました。

 

この出来事からの学びは、事業は何があるか分からないので、お金は余分に持っておいた方が心の安心感につながるということです。

 

自分のお金があれば良いですが、なければ金融機関に借りてでもお金は持っておいた方が良いです(そのお金には手をつけずに残しておく)。

→10円ハゲ対策に効果バツグン

 

※注意:安心のために借りたお金を、平常時(≒緊急時ではない)に使ってしまう人にはオススメしません。



2.人材採用のタイミング

 

開業から数年が経ち、ナントカカントカ売上も順調に増えていき、それに伴い生産の時間も増加して、毎日の勤務時間が仕事で埋まる状態になりました。

 

開業時から比べると、仕事があってすごく幸せな状態です。

 

この状態のままでも良いのですが、事業を少しずつ成長させていきたいと考えていたので、それまでと変わらずに積極的に広告宣伝等を続けていきました。

 

すると、、、

 

私の通常勤務時間を超える仕事量となり、深夜+土日時間も埋まっていき、残業漬けに陥りました。

 

妻から「あんた、独立したのにサラリーマン時代と同じ働き方してるやん、もっと家事を手伝えるように何とかしーや」との厳しい指摘も。。

→でも、10円ハゲにはならなかった

 

 

この出来事からの学びは、既存事業で成長を目指すのであれば、まずは代表者の既存の仕事を減らすために、従業員の雇用や外注を検討し、実行する必要があるということです。

 

 

上記は当たり前の話と思ってしまうのですが、、、

 

開業時に売上が少ないことで資金繰りに困った経験があるため、従業員雇用などの固定費への投資を「絶妙なタイミング」で検討・実行するのは難易度が高いです。

 

だから、「代表者の通常勤務時間が埋まる前」に従業員雇用の検討をした方がいいと考えます。

 

従業員を雇用すると、短期的には人件費負担が重たくなって、赤字になる可能性もあるため、怖くて雇用に踏み切れない思いをすると思います。

 

そんなときは、あなたが「中期的にどんな状態になりたいか」をイメージすることで、短期的な赤字も「中期的な理想実現の手段」と考えることができて冷静に判断できると思います。



3.組織の仕組み作り

 

上記の通り、私は残業漬けになってから従業員の雇用を考えて、

 

「能力があって税理士事務所経験豊富な人を採用したら一番いい」

 

と思って税理士を採用。

 

そして、「じゃあ、よろしく」という感じで丸ごと仕事を任せていきました。

 

そして、一定期間経った後に、その人が辞めることになると、任せていた期間の仕事は、その人に属人化しているため、すぐに代わって仕事をすることが出来ないことに気づきました。

→普通なら事前に気づくけど・・・

 

再度、従業員を雇用してから(本当は雇用する前がベスト)、

 

①誰が担当しても仕事ができるようにする

②その仕事をやればやるほどQCDが良くなるようにする

※Q(クオリティ:品質)、C(コスト:原価や時間)、D(デリバリー:納期)

 

上記2点を実現できる仕組みを作ろうと思い、「作業手順書」と「毎月の仕事の振り返り時間」を作りました。

 

「作業手順書」は、文字通りに作業の手順を記載したもので、私が仕事をやりながら、同時に作成していきました。

ものすごく大変で、月の勤務時間が300時間を超えたのはこの頃です。。。

→でも、10円ハゲにはならなかった

 

「毎月の仕事の振り返り時間」は月1回、前月の仕事をQCDの観点から全員で「現状の課題」、「改善点」、「改善方法」を共有・議論する時間を作りました。

 

上記2点を作ることで、

 

「能力があって税理士事務所経験豊富な人」

 

でなくても、

 

「能力があって意欲がある人」

 

を雇用すればよくなり、結果として人材採用がスムーズになりました。

 

この出来事からの学びは、既存業務を任せたいのであれば、人材採用前に以下2点を実施するのがいいです(採用してから仕組み作りをしてもいいが、最初に入社した人は大変なので続かない可能性大)。

 

 

・(最初は精度が低くてもいいので)誰でも出来るような仕組み(手順書など)を作る

 

・その手順書の精度が上がるような仕組みを作る

 

 

一番良くないのは、従業員の経験・スキルだけをあてにした雇用です(その人が辞めたら何も残らない)。

 

ぱっと思いついた3点を振り返りました。

 

これらは知識としては知っていたけれども、適切なタイミングで適切に判断できなかったです。

→適切に判断できれば、10円ハゲにならずに済んだ

 

結局、自分で考え行動した結果からしか、実感を伴った学びは出来ないと感じました。

 

当事務所は経営理念である「全従業員の物心両面の幸福追求」と「お客様の物心両面の幸福追求」を目指して、当事務所のチャレンジを通じた学びを、あなたの事業のお役に少しでも立てるよう努力していきます。

 

これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

 

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