【創業支援コラム】20241119 10年間の歩み(反省と学び) | 高槻・茨木創業サポートオフィス

【創業支援コラム】20241119 10年間の歩み(反省と学び)

2024年11月で当事務所は開業してから丸10年を迎えました。

 

10年間なんとかかんとか生き延びてこられたのは、お客様、当事務所メンバー、当事務所に関係していただいている方々のおかげであり、感謝の気持ちでいっぱいです。いつもありがとうございます。

 

毎年、11月のニュースレターでは過去の当事務所の取組(失敗事例を中心に)をお伝えしていますが、今年も懲りずに同じような内容をお伝えさせていただきます。

 

1.開業(201411月)からの3年間

 

・開業までの過去7年間、税理士業務とは無関係のサラリーマンで過ごしてきたため、開業時は顧客ゼロ、人脈ゼロ、税理士業務ブランク7年、個人の事業資金数十万円という状況でスタート。

 

【反省】今思えば、開業直前は開業する事業と同じ事業でノウハウ・人脈を培っていれば、より良かったと思います。

 

・そんな状況であったため、事業が軌道に乗るまでに時間がかかると思い、日本政策金融公庫から500万円借入

 

・そして、売上ゼロ出発のため、集客・営業活動に時間とお金を全集中

 

・結果として、毎月お客様が23名ずつ増加していきましたが、売上の増加は月数万円。

 

・一方、最低限の固定費と広告宣伝費で毎月50万円以上の赤字であったため、開業から半年ほどが経過したときには預金残高100万円程度まで減少

 

・そんなとき、風呂場で頭を洗っているときに違和感を感じて頭を見てみると、「人生初の10円ハゲ」が爆誕

 

【反省】お金は借りられるだけ借りておけばよかった(ただし、お金が手元にあっても無駄遣いしないことが前提)

今は無担保・無保証・無個人保証で借入できる雰囲気になりつつあるので、今ならもっとそのように思います。

→でも、そうすると10円ハゲ爆誕は見られなかった

 

・開業から数年間は114時間労働。でも、土日は半日は休んでいたので開業前のサラリーマン時代より労働環境は断然よくなりました(開業直後の長時間労働はみんなが通る道なので、もし今のあたながそんな状況に該当するのであれば、一時的に頑張りましょう)。

 

2.開業3年目(2017年)~ 6年目(2020年まで(コロナ前まで))

 

・おかげ様で少しずつお客様が増えていくと同時に、自分の生産キャパ(=労働時間に占める生産時間割合)もドンドンと埋まっていきました

・その当時は、自分の生産キャパのことは考えずに集客に注力

 

・開業当初に資金繰りに苦しんだ経験により、自分の生産キャパを軽視し、売上を増やすことに傾倒していました

 

・そんな意識の結果、茨木支店を開設

 

・茨木支店で受注はできたのですが、自分の生産キャパが加速的に埋まっていき、土日も働いて、このままいけば生産に支障をきたすと思い半年で撤退

 

【反省】ちょっと売上があがってきて、利益もトントンくらいになるのが見えそうな頃には、会社としての生産キャパ拡大(人材採用や外注化など)を考えた方がいい

 

 ・その反省を生かして、茨木支店撤退と同時に人材採用スタート

 

・最初は、特に何も考えずに未経験者を2名採用し、教育は「自分で調べてやってみて」という感じで放置プレイ

 

・その結果、1ヶ月以内に2人退職

 

・今度は未経験者ではなく、税理士事務所経験者を採用したものの、自分の思った通りにはならなかったです

 

【反省】人材採用は、なんとなくやっても上手くいかない。人材採用活動前にいろいろと検討した方がいい(何を検討するかは以下参照)

 

・なんとなくでは上手くいかなかったので、採用するタイミングで、税理士事務所で活躍する素質がある人を選ぶ必要があると考え、税理士事務所で活躍する人はどんな素質がある人かを調べるために、既存の事務所メンバー及び廣岡知人に適性検査を受けてもらい、必要な素質を数値で把握

 

・必要な素質を持っていても未経験者だとスムーズに仕事を覚えることが難しいと考え、未経験者でもスムーズに仕事を覚えられるように、手順書と手順通りに作成した成果物に間違えがないかをチェックするためのチェックリストを作成し、毎月、手順書とチェックリストを更新する体制を作った結果、採用したメンバーが定着していきました

 

・また、201819年頃までお客様との契約は口頭で契約していましたが、とあるお客様からめちゃくちゃな言いがかりをつけられたため、全員と契約書をまくことにしました。

 

【反省】契約書は面倒でも最初からまいた方がいい 

 

2019年、お客様及び社内の資料をすべてデータ化してクラウド保存し、社内で紙でのやりとりを無くしたことで、いつでもどこでも仕事ができる状況になりました(結果、コロナ禍になったときに全員在宅勤務が可能となった)

 

【学び】いろいろなことに取り組んでいると、現在の効果はボチボチでも、時代が変わったときに大きな効果を発揮することがある

 

3.開業7年目(2020年)~ 10年目(2024年現在まで)

 

2020年コロナ禍になり、開業からのメイン集客媒体であったネット集客が競合参入(freee、マネーフォワード等)により競争が激化したために壊滅状態になりました

 

・よって、もう1つの集客媒体であったDMを強化しようと考え、商品を変えて、DMのエリアを拡大することにより、ネット集客の減少をカバー

【学び】 集客媒体は複数個持っておいた方がいい

 

・この出来事があってからは、新規集客媒体の開発を1年に複数個のペースで実施しています。

 

・開業から税理士事業とは別にコンサル事業をやってきたのですが、コロナ禍でいろんな補助金やコロナ融資が簡単に出た影響もあり受注激減

 

・ただ、税理士業務があったのでそちらに注力することにより、コンサル事業の減少をまかなうことができました

 

【学び】可能であれば事業は複数個を持っておいた方がいいのですが、これは非常に難しいです。時間とお金に余裕がある場合のみ既存事業とは別の事業を作りに行っていいと思いますが、ほとんどの方は時間もお金も余裕がないことが多いのでやらない方がいいです。

→新規事業の立ち上げは赤字になることが大半のため、その赤字を許容できる状態を作ることが先決です。

 

・コロナ前から取り組んでいますが、コロナ禍以降に、より注力しているのは「時間あたり粗利」をあげていく活動です(粗利益÷総労働時間。各従業員ごとに時間当たり粗利を算出)。

 

・商品ごとの生産工程のQCDを良くする活動を実施することで時間当たり粗利をあげていっています。

※Quality(品質)の向上、Cost(コスト時間)削減・・・手順書、チェックリストの精度向上や教育研修の精度向上などを実施

 

【学び】自社内でできる改善活動が一番改善確度が高く、また、一つ一つの改善活動に伴う利益改善額は微々たるものですが、積み重ねると大きな利益改善につながるので大事です。

※ただし、一定の売上規模がないと効果が現れないので開業初期の売上規模が小さい場合は売上アップに全集中必須です。

 

色々とありましたが、これからもいろんなことにチャレンジして、その反省や学びをあなたと共有することで、少しでもあなたのお役に立てればと思っております。

引き続き、よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

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